コスモウォーター

兵庫県加古川市に本社を置くコスモライフ社が運営する天然水系ワンウェイメーカー。親会社はオリックス。
業界シェアは第4位。2016年にプレミアムウォーターグループに抜かれ4位に転落。それまでは長い間天然水では業界シェア1位だった。
親会社はオリックス。

1988年コスモライフ社設立。当時はギフト関係の卸業者として事業を展開している。
2005年にウォーターサーバー事業開始。当時はほとんど認知されていなかったワンウェイ(使い捨て容器)によるビジネスモデルに着目し独自のサーバー開発やボトル製造を行いシステムを確立した。

全国に数カ所の製造工場を有しており、工場から直接顧客の元へ宅配便を利用して商品を配送している。

2011年の東日本大震災時には東日本エリアのお水が需要急増の為、大量に不足したこともあり、コスモウォーターの関西以北のお水に注文が殺到した。それに伴い、ウォーターサーバーが在庫不足に陥る。
当時リターナブルメーカーはサーバーがない場合はお水のみの出荷は行わなかったが、コスモウォーターはウォーターサーバーがなくてもお水のみで出荷を行ったため顧客数が急拡大した。この手法には同業者から批判の声もあったが結果としては正しい判断だったといえる。

コスモウォーターはワンウェイという仕組みを取っており、自社セールスマンや自社配送員は基本的に有していない。
クリクラやアクアクララのような先行企業は大量のセールスマンを組織していたが、それらを組織できる資金や事業ノウハウは有していなかった。その為、当時はまだ主流ではなかったインターネット販促にいち早く着目し他社よりも圧倒的に早くインターネット上の情報操作を開始した。

2012年に業界初で唯一の足元ボトルサーバーを発表。
2014年には旧型サーバーとセット商品としてお掃除ロボットをセットしたウォーターサーバーを発表した。口に入るものと掃除機という違和感のある組み合わせは業界関係者から批判されたが、ウォーターサーバーのメインターゲットである主婦層にはすこぶる好評であり新しい顧客層を大量に開拓した。

コスモウォーターは幾つかの水源でOEMメーカーと契約していたが、利益率改善のためにこれらの時期辺りからOEM会社との契約を打ち切り自社製造へ舵を切り出す。飛ぶ鳥を落とす勢いのコスモウォーターはこの時点では向かう所敵なし状態。

2015年にはオリックスが全株式取得を発表。取得価格は200億円で創業オーナである織田一族はこれを持ってコスモライフ社の経営から退いた。200億円は完全なる過大評価であり、織田一族は最高のバイアウトを成し遂げたといえるだろう。正にウォータードリームである。

オリックス買収後のコスモウォーターは凋落の一途を辿り、顧客数の伸び率が減少した。この傾向は今後も続くと考えられる。
2017年に満を持して登場した新型サーバースマートプラスは予想に反してデザイン性が低く目新しい機能もないサーバーであった。

コスモウォーターはウォーターサーバー業界では最もウェブ販促に成功した会社である。
いち早くネットの影響力を見抜き、今では当たり前になっている比較サイトの情報操作をいち早く実行に移した。その証拠に現時点でウォーターサーバー系比較サイトの1位表示はほぼコスモウォーターが独占しており、これは数年前から変わっていない。
実際に市場ではクリクラやアクアクララが1位だが、これら2社はウェブ戦略を重要視してこなかったためネット上での存在感はほぼ無い。それに引き換えコスモウォーターはネット上では絶対王者であり、ネット上ではクリクラやアクアクララと比べると数十倍の顧客獲得数を誇る。

後発のアフィリエイターは先発比較サイトを参考にサイト制作を行うため、新しく出来上がる比較サイトもコスモウォーターが必然的に1位となった。業界事情が分からないウェブ関係者やアフィリエイターはコスモウォーターがシェア1位だと認識しており、ますますウェブ上の情報操作が加速することになる。

iphoneによって爆発的に普及したインターネット環境において、情報リテラシーのあまり高くない主婦層が比較サイトにアクセスするようになり、その比較サイト1位を独占しているコスモウォーターが顧客数を急激に伸ばすのは当然のことだった。
これらの時期には競合他社がテレビCMを放映したとしても、インターネットでウォーターサーバーを検索するとどこもかしこもコスモウォーターをおすすめする内容になっていたので、敵に塩を送る状態であった。

しかしオリックスが買収し、経営陣が交代になった2016年頃からコスモウォーターの失速が顕著になる。
ある情報筋によるとネットでの獲得が80%程度減少したとも言われている。

2012年からイメージキャラクターとして起用していた俳優の成宮寛貴氏の薬物使用疑惑や芸能界引退騒動もマイナスに働いている。

これは元々くまおさんは想定できていたことだが、ウォーターサーバー市場はまだまだ未成熟であり多少泥臭い戦略が効果を上げる。そのタイミングにおいて大企業からの出向組が経営幹部となったことでペルソナ設定を間違え、セオリー通りに運営しようとしたことにより競争力が落ちた。
おそらく比較サイトの情報操作への人員や資金を絞り、社内の整備や既存顧客の整備、サーバーの衛生管理などの内部インフラに資金や人材を投下したためだと推測される。

元々地場のオーナー企業であるから、コンプライアンスはゆるく抱えていた問題がオリックス買収によって噴出したのだろう。地場企業ゆえ上場企業のコンプライアンス基準に耐えられなかったのだろう。
ウォーターサーバーは永久メンテナンスフリーと宣伝していたが、サーバー構造上そのようなことはありえずそれらの問題もオリックス買収後に顕在化した可能性が高い。

ウォーターサーバー事業はブルーカラーの事業であり、オリックス出身者のような高学歴社員には向いていない。
2016年まではネット上はコスモウォーターの独壇場だったため、せめて2016年にデザイン性の高いウォーターサーバーをリリースすれば今頃の業界シェア1位はコスモウォーターだったのではないだろうか。
しかし、大企業買収によりスピード感が失われ2017年にやっと発表された新型サーバーがあの体たらくでは今後上昇の目はない。

それでも2017年はまだ比較サイト1位を占めているので、顧客獲得が完全にストップすることは考えにくい。
ライバルのフレシャス、プレミアムウォーターのネット資金投下量によってコスモウォーターの顧客獲得数は変動することだろう。

買収時には代理店網の拡大や海外展開も視野に入っていたようだが、2017年時点ではその様な動きは見られない。
200億円の買収資金は明らかに過大評価であり、現幹部はグループ内でも肩身の狭い思いをしているはずではり。今後も買収資金が重しとなり大胆な資金投資はできないと考えられる。その為、コスモウォーター完全に失速したと考えてほぼ間違いない。